3月21日以来、約2ヶ月ぶりに赤骨のエンジンをかけた。
6月の第一土曜日/日曜日は私の経験上比較的晴れることが多く、6日は雨のち曇りだったものの7日は予想通り晴れた。
梅雨入り前、真夏になる前の貴重な1日を、昨年に続き日帰りツーリングでバイクと戯れることに使わせてもらった。
10時過ぎに浦和を出発、R463を西へ走って所沢を通過し、入間からはR299に入って飯能へ。
飯能までの道は延々と市街地が続き、走っていて全く面白くない。
高麗川に沿って蛇行して走るようになる飯能以西になって、ようやく走って楽しい道になる。
正丸トンネルをくぐり、道の駅あしがくぼで休憩を入れたのち、秩父市に入る。
今回の目的地は、埼玉県秩父郡小鹿野町にしようと思っていた。
この町には私は行ったことがなく、なおかつ以前からバイク雑誌やネットを見て私を惹きつけてやまないものがあったのだ。
それは「安田屋のわらじカツ丼」。
トンカツが2枚乗っているという丼を、ぜひこの目で見て賞味したかったのだ。
今回は秩父市をスルーし、R299を進む。
R140との交点から、今どきこんなバイクに乗っている人たちがいるのか…というような一団の後をついていかざるをえなかった。
あんな改造をして車検に通るのか不思議だったが、彼らは赤信号などの交通ルールはちゃんと守っているのであった。
R299は秩父から小鹿野の間で北に湾曲しているが、なぜだか走ってみてわかった。
簡単に言うと、地形に対して無理していないのだ。
さて小鹿野に入り、安田屋を探すが、どこにあるのだかさっぱりわからない。
ツーリングマップル(バイク用地図)を凝視し、ありそうなあたりをグルグル回ってみるが、全く見つからない。
20分近く探しただろうか、狭い路地に面した安田屋をようやく見つけた。
時刻は13時40分過ぎ。

やれやれと思って店内に入ると、先に食べている人たちが一斉にジッと私を見る。
その雰囲気に違和感を感じながらも荷物を置いて店員さんに声をかけると、「もう売り切れましたよ、表に書いてあると思いますけど」と言われた。

なるほど、昼の部は売り切れね…
確かに、昼を過ぎると売り切れになることが多いとは何かで読んでいた。
しかしまだ食べている人で席が埋まっているということは、私はタッチの差で間に合わなかったのだろう。
さっきの店内の視線は、食べられた人たちの食べられなかった人に対する優越感のこもった視線だったわけだ。
悔しいというよりも、とりあえずは場所がわかったことで納得した。
しかし17時まで待つのもバカバカしいので、地図を開いてみた。
この先には埼玉・群馬県境の志賀坂峠があり、その先で東に針路をとれば関越自動車道の本庄児玉ICに出られる。
同じ道を戻るよりも、周遊したほうが面白そうだ。
小鹿野から志賀坂峠への道で、今回初めて隘路(片側1車線ない道幅)が出てきた。
やがてヘアピンカーブがはじまり、途中で走ってきた道を見下ろせるところがあった。
車ではなかなか停まれないが、その点バイクなら安全に停まることができる。

こういう走って楽しい道なだけに、数多くのバイクとすれ違った。
私と同じく、梅雨入り前の貴重な1日を走りに来た人も多かったのだろう。
道路わきにある「ただいまの気温」の表示は、今回の行程では最高で29℃となっていた。
しかし走っている分にはちょうどいい塩梅だった。
志賀坂峠そのものは眺望もなく、トンネル1つを抜けておしまいなのだが、その先は群馬県神流町である。
日本で最初に恐竜の足跡の化石が発見されたところらしく、あちこちにそれをアピールする看板や施設があった。
途中でバイクを止め、地図を見て、今回の最終目的地は十石峠にしようと決めた。
ところで国道299号は、長野県茅野市を起点に埼玉県入間市に至る200km弱の国道である。
かつて国道の日本最高地点(標高2,127m)だった、北八ヶ岳の麦草峠などを通る。
茅野市から麦草峠を経て佐久穂町と、秩父市から入間市は通ったことがあるが、今回は大部分が初めて走るところだ。
その未走行区間、特に群馬・長野県境が、私の大好きな"酷道"だったのである。
神流町から上野村に入り、R299はしばらくは快適な片側1車線をキープする。
上野村は24年前の日航機墜落事故の現場となったところで、走っていると「慰霊の園」などの看板が見えた。
神流川沿いにさかのぼり、群馬r45を分けるところで、このような看板が出てきた。

残念、ここから先には進めないようだ。
少なくとも途中で引き返さざるをえないことになる。
十石峠へ行くのは諦めようとも思ったが、よくよく見ると迂回路が設定されている。
というわけで、矢弓沢林道を通って目的地を目指すことにした。
ぶどう峠へ向かう県道から別れ、矢弓沢林道を進む。
県道と林道の違いが、ここでは如実に現れている。

バイク×バイク、バイク×車ならすれ違いに問題はないものの、車×車では退避する場所に困るであろう。
そんな国道に限らず酷道好きにはたまらない、極上(?)の道が続く。
もっともそんな余裕を感じていられるのも、こちらがバイクだからということは否定できない。
なにしろ退避スペースが極端に少ないのだ。
向かいから車が来て、こちら(車)が退避スペースまで後退している間に後ろから別の車が来たりしたときのどうしようもない感といえば…私にも経験がある。

かなり登ったところでR299と合流するが、やはり国道とは名ばかりで林道と見分けがつかない、その延長のようなものだ。
実はR299の通行止めになっている部分より、今通ってきた矢弓沢林道のほうがまだマシだという話。

空へ向かって飛び出すような登り坂を走りきると、目指す十石峠が近づいてきた。
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