4日・5日と行ったのは、栃木県那須塩原市にある塩原グリーンビレッジ。
ちょうど20年前のゴールデンウィークにも、私はここでキャンプをしていた。
当時18歳、大学に入ったばかりでキャンプや登山をする部に入った私は、ゴールデンウィークにいくつか出ていたキャンプの企画の中から塩原へ行くパーティーを選んだ。
2年生にとっては初めてのリーダー、新入生にとっては初めてのキャンプという位置づけで、テントの立てかた、道具の使いかた、その他キャンプ生活に必要な知識などを教わるのだった。
テントは今ではほとんど見なくなった家型テント、バーナーは灯油を使うラジウス。
それまでにも親に連れられてキャンプに行ったことは何度もあったが、パーティーの一員として行くキャンプは実に面白いものだった。
その後は6月に初めての登山となる八ヶ岳縦走、12月には平地ではあるが初のリーダーとして筑波山に行くなど、その後1年間に17回、大学4年間に51回のキャンプ(合宿・登山・平地合わせて)に行くことになったきっかけでもあった。
そんな、私のキャンプ人としての原点である塩原に20年ぶりに帰ってきた。
なぜその間に一度も来なかったかというと、いろんな意味でファミリー向けのオートキャンプ場に行く必要がなかったから、ということになる。
今回、予約の電話をしたのは1週間前だった。
GW真っただ中にもかかわらず、偶然キャンセルがあったとのことで、取ることができた。
今回お借りした車は、三菱のデリカ。

非常に車高(運転席)が高くて見晴らしがよく、長距離を走っても疲れにくい。
信号待ちのときなど、このように他車を見下ろすかっこうだ。

荷物はこのように積んだ。
楽々積めた。

浦和を11時半ごろに出発し、東北道浦和インターまでR463を走っていると、東浦和あたりからよもやの渋滞。
浦和インターからつながっているのかと思ったら、途中の大崎公園で行われていたアグリフェスタによる混雑で一安心。
東北道は久喜から羽生までノロノロだったが、混みそうな時間帯を外したのでそれ以外は流れていた。
もっとも、佐野藤岡インター出口や各SA・PAに入る車は長蛇の列を作っていた。
大谷PAで休憩し、西那須野塩原インターで東北道を降りる。
料金は1,600円だった。通常の半額以下。
若の靴を持ってくるのを忘れ、姫の靴が大きかったので、いったん西那須野の街中へ向かい、西松屋へ。
いつも思うが、この子ども用品チェーン店はこんなに安くてよく商売が成り立つものだ。
買うものを買い、20年前はJR西那須野駅からバスに乗って辿った国道400号を、今回は私の運転で西へ向かう。
平坦な道を進み、道の駅にしなすのから先は山道に入る。
左手に沢を見ながらしばらく進み、温泉街の手前で橋を渡ると、目指す塩原グリーンビレッジだ。
入口がわかりづらくて、一度行き過ぎた。
入口近くにある駐車場そばの建物で受付を済ませる。
料金はテントサイト1区画、大人2人に有料対象の子ども1人で7,000円ちょっと。
決して安いとは言えないが、トップシーズンだし、まあしょうがない。
区画は縦約6m×横約10m、テントを立てて車も入れられる。
20年前のキャンプ場の状況はほとんど覚えていないが、こういうキャンプ場ではなかった気がする。
実はママさんも10年くらい前にこのキャンプ場のバンガローに泊まったことがあるそうだ。
受付に併設してある売店には、何でも揃っている。
それこそ雑貨類は手ぶらで来ても平気なくらい。
肉は既に買って家から持ってきたにも関わらず、美味しそうだったのでつい買ってしまったくらいだ。
実際おいしかった。
しかしBBQ台のレンタルはともかく、炊飯器(もちろんコンセントにつなぐ普通のタイプ)のレンタルまであるのにはびっくりした。
そこまではいらんだろ…キャンプでお米を炊くなら、バーナーで炊かないと。
最近のオートキャンプ場にはAC電源が使えるところがあるらしいが、アウトドアで交流電源というのは私が思うにどう考えても不自然だ。
ただし、BBQ用の網はレンタルではなく販売のみ。
焦げついた網まで洗ってる暇はないよ、ということなのだろう。
テントサイトに移動し、荷物を下ろしてテントの設営にかかる。
買ったテントはコールマンのもので、床が270cm四方のもの。
ぶっつけ本番で立ててみるが、さすがにまごつく。
私は今まで家型テントか登山用のドームテントしか立てたことがなく、こういうタイプは初めてだったのだ。
屋根の部分になるところは黒いFRP(プラスチック)のポールをクロスさせてしならせ、地上から立ち上がる部分は緑のスチール(鉄)のポールを使用する。
こういうタイプのテントは、ポールがスチール製なのか…どうりで重いわけだ。
間違っても山行には持っていけない。
説明書を見ながら、20分くらいで設営が終わった。
次からは10分足らずで立てられる自信がある。
ペグ(杭)はフライシート(外張りの防水シート)の入り口部分でピンペグを2本打っただけで、あとは必要ないので打たなかった。
雨が降ったりしない限り、張り綱を張るためにペグを打つ必要はないと思っているし、私自身ペグ打ちをやったのは何年ぶりだろうか。

ママさんや姫にも、できるところは手伝ってもらった。
姫はピンペグの1本を途中から打ち、自分でやったんだよとママさんに自慢していた。
しかしまあ、キャンプ場を見渡すと、8割から9割はコールマンの緑のテント。
私もその一員になってしまったわけで、没個性だなーと思わずにはいられなかった。
同時に買ったシュラフ(寝袋)2つとマット、電池式の蛍光灯ランタンもコールマン製。
蛍光灯の明かりは最近流行のLEDと同じく、無機質で温かみも何もない代物だが、子どもにも持たせられるという点でこれ以上安心なものはなかった。
ガソリンやガスのランタンは高熱を持つので、とてもじゃないが子どもには持たせられない。
テントサイトの横には池があり、無数のオタマジャクシが泳いでいる。
カエルも鳴いている。
と、我が家が乗ってきた車にドンと何かがぶつかる音がした。
石か野球のボールがぶつかったように聞こえたが、どこからもすみませんとも何とも言ってこなかった。
人が大勢いると、感じの悪いことが起きる。
気を取り直して、BBQの用意にかかる。
BBQ台をセットし、炭に火をおこそうとするが、何年も前に買って家に放置してあったものを持ってきたからか、火のつきが悪い。
どうにかこうにか火をおこし、お肉を焼き始めた。

やってみて感じたことは、小さい子どもを連れてのキャンプでは、BBQや焚き火は不向きだということ。
近寄りそうになるたびに「熱いからこっちに来ないで!」と注意し、気が抜けないのだ。
焼いた肉はおいしかったが、子どもの面倒を見ながらなのでおちおち食べているわけにもいかなかった。
ママさんが若を寝かしつけ、続いて姫を寝かしつけ、ようやく大人だけの時間になったころには、周りは寝静まっているテントが多かった。
焚き火用に売店で薪を2束買ったが、乾き方が足らないのか、火にくべてもなかなか燃えないので苦労した。
結局全部燃やしきることはできず、1時に寝ることにした。

そういえば、こんなことがあった。
まだ暗くなる前、隣のテントサイトの人(大学生風)が2人来て、「これのつけ方を教えてください」とガスランタンを持ってきた。
ランタンはキャンプ場で借りたそうで、見るとマントル(ガラス繊維の発光体)が灰になって落ち、ダメになっている。
サイズは合わないが私の手持ちのマントルを付け、空焼きしてから点火すると、ゴーっといいながら明るく光を発した。
隣の人たち、それに隣で見ていた我が家の姫もおおーっと歓声を上げた。
このランタンの操作方法は、大学の部に入ったときに習ったことだ。
20年前にこの場所で教わったことを別の人に還元した、ということになった。